フジミ1/700重巡洋艦「妙高」デラックスバージョン製作記。



第二次大戦中の日本海軍の重巡洋艦です。
重巡洋艦の名前は山の名前から取っているそうで、 新潟の妙高山が名前の由来だそうです。
同型艦には「那智」、「足柄」、「羽黒」があります。


【1/700シーウェイモデルシリーズ
グレードアップ限定版
日本海軍重巡洋艦 妙高デラックスバージョン】


1/700プラスチックモデルキット
定価 2,940円 (税抜 2,800円)
メーカー:フジミ


2009/03/14(土)

那珂に続いて艦船モデル2隻目はフジミの妙高デラックスバージョン。
これを選んだ一番の理由は前回と同じく、キットに手すりのエッチングパーツが付いてるからだったり(笑)。

箱の中身は、説明書(組立図&塗装図&訂正の紙+エッチングの説明書)と船体やその他パーツ郡、バラスト、デカール、エッチングパーツ、 それと画像に入ってないけど主砲塔可動用のポリキャップも入ってます。


前回の那珂と比べると、さすが比較的新しいキットだけあって、パーツのディティールが繊細になってます。

ちなみに最終状態と第2次改装後を選んで組めます。


キット付属のエッチングパーツ。
妙高は艦首部分に勾配が付いていて、普通の手すりを付けるとナナメっちゃうので、 シアー手すりという斜めのラインに沿ったのを使うんだけど、当然それも入ってます。

しかし、今回は艦橋窓枠やファンネルキャップがエッチングで付いていないので、窓枠は 別にエッチングを用意して、ファンネルキャップは何とか自作します。


早速仮組みというか、パーツの仮置き。

あっという間に形になっちゃいました。
エッチングなしでストレートに組んだら多分一週間掛からないで完成するんじゃないのかな?
新しめのキットなので、それでも充分見栄えするしそれもアリかなーと思っちゃうくらいいい感じです。
どちらにしろ、いじる部分は少なくて済みそう。

那珂より300円高いだけでこの内容は凄いかも。

ちなみに第2次改装後として組んでます。




んで、まずは艦窓枠部分をくりぬいてエッチングに交換しちゃいます。
使用したのはハセガワの妙高専用のエッチング。安価なので窓枠2箇所のためだけにキットと同時に買いました(笑)。
そして、艦橋の両サイドにある小さな窓にジョー・ワールドの精密窓枠。実はこれだけあれば何隻分もの窓枠が出来ちゃうくらい窓枠だけのエッチングセットだったり。
画像にはほかにも前回の那珂で余ったファインモールドの5500t級用のエッチングセットから水密扉を付けてます。
キット付属のエッチングは今のところ探照灯台だけ。


2009/03/16(月)

続いてファンネルキャップも早々に取り掛かります。
たまたま模型屋で買っていた、真ちゅう線より曲げやすい0.24mm径のステンレスホビーワイヤーとかいうので格子を組もうと試みたんだけど、 なかなかうまく接着できなくてどうしようもなかったので、箱組みしたプラ板に等間隔に溝を彫って簡易治具として、 そこにワイヤーを固定してから接着していく方法を取ったりと割りと苦労しました。

ステンレスワイヤーって接着しづらいのかな・・・?
一応、瞬着硬化スプレーでガチガチに接着できました。




苦労の成果。

画像上がキットのプラパーツのファンネルキャップのままの状態で、 画像下がステンレスワイヤーで自作したもの。

ファンネルキャップの外周にぐるっとある枠は伸ばしランナーを曲げながらプラセメント(流し込み)で接着したもの。
煙突内部の仕切りも0.3mmプラ板で再現してます。

ちなみに格子はキットのプラパーツと一緒で、前半分が3本×3本、後ろ半分が4本×3本のワイヤーで作ってます。
(手持ちの写真資料で唯一ファンネルキャップの様子が分かる写真を一応参考にしてます。写ってるのは那智(妙高の同型艦)だけど(笑))
この後ろにも煙突があるので、また後日。
第二次大戦の艦船には煙突はまず絶対あるから、これは慣れないと・・・。


2009/03/17(火)

後ろの煙突にも同様にファンネルキャップを付けました。
まあ、メッシュも3つ目だし慣れたので多少は手早くなりました(笑)。

で、ついでに煙突にジョー・ワールドのジャッキステーのエッチングパーツも付けようと思ったら、 物凄い軟らかくてちょっと触っただけで歪んじゃったりとなかなか大変。うーん、これは上級者向け(笑)。
1時間くらい掛けて3段付ける予定の1段を何とか付け終わりました。
ちょっと不安になってきた(笑)。


2009/03/21(土)

慣れていくのが自分でも分かる・・・という訳でジャッキステー終わりました。
コツというか手順は、取り付ける始点に0.3mmのピンバイスで穴を開けて、そこにジャッキステーの支柱(軸足の長い部分)をゼリー状瞬着で固定、 煙突の形状に沿わすように曲げていって反対側も差し込み穴を開けて固定。この繰り返しです。
支柱が丁度端っこに来ない場合があるけど、気にしないで支柱の位置で固定します。
両端以外の途中で何箇所かある支柱部分はニッパーで短く切り揃えちゃいます。
その他の部分も補強のためにゼリー状瞬着を使用。

ちなみに前部の煙突はジャッキステーのピッチがLのものを、後部の煙突にはMのものを使いました。
(1枚のシートにL,M,Sが入ってる)

金属砲身なんかを付けてみる。
これはハセガワから出ている「20.3cm主砲身セット【重巡 妙高級】」というハセガワの妙高級キット専用の ディティールアップパーツなんだけど、フジミのキットにも付かないことはないです。
効果は、プラに比べて断面形状が綺麗な円になるというのと、砲身が開口されるという2点。
10本入り1575円なので1本辺り150円。10本全部使うけど、値段分の効果はあるのかな?

で、パーツの説明書はハセガワのキットのパーツナンバーが書いてあるので混乱しないようにして(笑)、 キットのプラの砲身をカットした防水キャンパスの部分をピンバイスで開口します。
説明書には0.6mmで、と書いてあるけど0.5mmで十分はまります。
というか、0.5mmでもプラの強度が結構ギリギリになるのに、0.6mmで穴を開けたらきっと失敗します。

アンカーチェーンのモールドを削って金属チェーンに置き換え。
「ホビーチェーンD極小・小」の「極小」か、フラグシップの「超極細チェーン」を使います(サイズは同じ)。

アンカー側のチェーンの端に1mmのドリルで開口して金属チェーンを入れて瞬着で接着。
もう片方の折り返しのある部分は、折り返しのディティールを切り取って、そこに0.5mmの真ちゅう線を差し込んで、チェーンを折り返す。
真ちゅう線の上から元のディティールっぽい円柱のプラ材を被せる。
あとはチェーンの折り返した端っこを元のチェーンのモールドに沿って止めて接着しておしまい。

2009/03/22(日)

舷窓がちょっと浅いモールドだったので0.5mmピンバイスで深く掘り込んだりした後、船底パーツの接着。
その前にベース固定用のナットを仕込みます。
空中線とか細かい仕上げをした場合には、ベースに固定してケースに入れて飾るのは必須だと思ったので、この工作は毎回やります。

今回のフジミの妙高の船体パーツは中心がせり上がるように反っちゃってるんだけど、船底にしっかり接着することでこの反りもほぼ直ります。
金属のバラストをしっかり接着すれば船体につられて船底まで反る心配もなくなって効果的。更に最終的にベースにビスで固定すれば完璧。

2009/03/23(月)

偵察機を甲板上で移動させるための航空機運搬軌条(レール)と旋回盤(ターンテーブル)をエッチングに置き換え。 これもやってみたかった工作だったりして。
まずはキットのモールドをモデリングチゼル(いわゆる、「ノミ」です)で削っちゃいます。
モールドは完全に消したほうが綺麗になりそうだけど、少しだけモールドが残るくらいにしておくと エッチングを付ける際のガイドになります。




一通り削ったら、エッチングパーツに付属する治具を使って、0.2mmのピンバイスで等間隔に取付け用の穴を開けていきます。
穴自体は0.3mmで開けてもいいと思ったけど、治具の穴に通らないので使えません。
ちなみに使用したエッチングはライオンロア社の「日本海軍水上機用ターンテーブル&レール」。
多少失敗しても大丈夫なくらいの量のパーツが入ってます(笑)。



途中経過。
大小2種類入っているレールの内、大きい方を使用してます。
「開き」の状態になっているレールのパーツを折りたたんで、ピンバイスで開けた穴に挿していくんだけど、 これもジャッキステー並みに軟らかいパーツなので難度が高めでなかなか進みません。
寄ると歪んでるのがバレるけど、普通に見た分にはほとんど気になりません・・・今のところは。

ジャッキステーもそうだけど、歪んじゃった部分はエッチングベンダーで挟んで矯正するとある程度まっすぐに戻ります。

2009/03/24(火)

何とか終わりました。瞬着が所々はみ出てます(笑)。

ところでこのレールのレイアウト、キットのモールドをそのまま復元したんだけど、ハセガワ版とはちょっと違います。
ハセガワ版もフジミ版も、第2次改装後と最終時を再現したキットなので同じはずなんだけど、ハセガワ版は 中央のターンテーブルから前後に伸びているレールがありません。
んで、どっちだろうと思って手元の本(学研の「妙高型重巡」)を見ると、綴じ込みで妙高と那智の精密図面が載っていて、 どちらもフジミ版と同じレイアウトになってました。
また、那智の上面から見た写真(福井静夫コレクションのと同じ写真)も載っていて、それにもハセガワ版にないレールがうっすら見えるような気もするし、 でも、同じ本に載っている1/200スケールの那智の作例はハセガワ版と同じ・・・うーん、判断つきません(笑)。

ハセガワ版のほうがレールが少なくて楽じゃないか?という思いも浮かんだんだけど、 最終的にはフジミのキットだからフジミのほうで行こうと決めました(笑)。
2009/03/26(木)

マストを真ちゅう線に置き換え。

半田付けの道具を持ってないので、真ちゅう線を組むために元のマストのプラパーツの基部だけ切り取って、ピンバイスで穴を開けて差し込んで組んでます。
画像は左半分だけ真ちゅう線にしたところ。

使用した真ちゅう線は0.3mmと0.4mm。ピンバイスのドリルはタミヤの5本セットで1,000円くらいの奴。安いし整理が出来て便利です。



前部マスト出来上がり。

ループアンテナはハセガワの妙高用エッチングに付いていたもの、1号3型電探はファインモールドの5,500t級用エッチングに付いていたものにそれぞれ置き換えてます。
5,500t用のエッチングは色々付いててオトクです(笑)。

後部マストも大体こんな要領でやっていきます。
マストはプラパーツそのままでもいいかなーと思ったりもしたけど、真ちゅう線に置き換えたら予想以上に全体が引き締まっていい感じになりました。
2009/03/27(金)

後部マストも出来上がり。

下層部は太めで、手前の2本が0.5mm真ちゅう線、奥のクレーンの基部になっている部分はプラパーツのままです。
クレーンはキット付属のエッチングに換えてあるけど、別にトラス状になってる訳でもないので見た目的には変わりません。
フック状のディティールのあるプラパーツのままのほうがむしろよかったかも?
上層部は0.3mm。真ちゅう線だけで組む必要があったんだけど、ゼリー状瞬着で着けて瞬着硬化スプレーを吹いて固めてます。

後で空中線を張る予定だけど、強度は問題ない感じ。
2009/03/29(日)

手すりなんかがいつの間にか仕上がってたりして。
で、艦橋にある手すりの分がキットには付属しないので、前回作った那珂の余りを付けました。

あとは左右の舷側に張り出した4つの高角砲には実際は側面に格子状のディティールがあるんだけど、キットでは成型の都合上まっさらなので、 何とかします。
今回は艦橋の窓枠のためだけに買ったはずのハセガワの妙高用エッチングにこの格子状のディティールも付いていたのでそれを使いました。
他にもピットロードの「日本海軍艦船装備セット[VI]」に格子モールド付きの高角砲がプラパーツであったりもするのでそっちを使う手もあります。



いよいよ塗装。
構造物をどかして、リノリウム(茶色の床材)の塗装をしてマスキングしたの図。
リノリウム甲板は段差ごとに5ヶ所に別パーツとして分かれてるんだけど、接着しちゃったのでマスキングが面倒になっちゃいました。
それを覚悟で接着したんだけど、ちょっと後悔(笑)。
しょうがないのでカッティングマットに貼った状態のマスキングテープをデザインナイフで短冊状に切って、それをちまちまと 色の境界線に合わせて貼っていきます。
まあ、ここまで来たら完成が近いので音楽とかでも聴きながらこなします。
あんまり細かい部分とか、航空機運搬軌条なんかはあとで筆で塗る事にして手間を軽減します。
2009/04/01(水)

船体の塗装も終わって艦上構造物の塗装とか。

主砲等の防水キャンパスとかの明るい色は白+セールカラーで塗ってます。
ちなみに主砲塔はどれがどれだかすぐ分かるようにパーツの裏に番号を彫っています。
手前にある小さいのはラッタル(階段)と、絡車(ホースリール)。
これらを取り付けたら船体はほぼ完成。

2009/04/04(土)

艦載艇の塗装と組みつけが終わったところでウェザリングをして、スーパークリアーつや消しでコート。

で、その後に探照灯のクリアパーツを取り付けます。
小さいほうはファインモールドのファインディティールアクセサリーシリーズより、「探照灯セット3 軽巡・駆逐艦・小型艇用」のパーツを使用、 大きいほうは、キットのプラパーツに2mmのドリルで浅ーく穴を開けて、WAVEのHアイズミニをはめ込んで接着してます。
パーツの中央にヒケがあったお陰でドリルがずれずに済みました(笑)。

残すは3機もある艦載機と空中線。

2009/04/05(日)

艦載機完成。
キットにはエッチングプロペラやデカールも含めて4機分入ってるんだけど、実際に載せるのは3機なので、残りの1機はお好きにどうぞと書いてあります(笑)。
機体のマーキングは全部水転写デカールなんだけど、オレンジのラインは何だか違和感。
他の作例や航空機単体のキットなどを見てもここのラインは明るい黄色なんだけど・・・うーん。
あと、零式水上観測機は複葉機になってて、主翼の支柱が再現されてなかったのでファインモールドの5,500t級用エッチングの艦載機の パーツを使ってます。ちょっと細部が違うんだけど、ないよりはマシということで。

船体の空中線も張り始めたので完成まであとちょっとです。
2009/04/06(月)

前部マストの信号旗用ワイヤー。
今回は10個作ってみました。
伸ばしランナーを細いところで切断して、その先端にゼリー状瞬着を着けてテグスをくっつけます。
で、瞬着硬化スプレーで固めて、くっついたらデザインナイフでテグスの着いているランナーの先端部を輪切りになるよう切断して、 もう1本テグスをくっつけるという手順。
最後に上にもテグスを着けて完成。




2009/04/07(火)

完成。


フジミ1/700重巡「妙高」製作完成画像

うーん、いかにも軍艦ですって感じでカッコいい。

ベースは那珂と同様で、プラ板とプラ棒で製作して、キットをネジ止めしてます。
白いプラ地のままだと劣化して黄ばむので、適当に塗装する予定。
キット本体は全体的に塗料に白を混ぜて明るい色調にしてます。キット全長は約29.5cm。




フジミ1/700重巡「妙高」製作完成画像

後ろから。
後部マストにあるクレーンのワイヤー部は他の空中線よりずっと太かったので、0.2mm真ちゅう線で作ってます。





フジミ1/700重巡「妙高」製作完成画像

横から。というか、左舷側。
ボートダビッドはキットのパーツもいい感じだったんだけど、厚みがあったので、エッチングに換えてあります。
艦橋脇のカッター(手漕ぎボート)のゆれ止め(バッテンの白い帯)は、0.14mm厚のプラペーパーを切って作ってます。




フジミ1/700重巡「妙高」製作完成画像

上から。
同型艦の那智の資料写真にこんな構図のがあります。




フジミ1/700重巡「妙高」製作完成画像

艦橋付近のアップ。
苦労した煙突周り(ファンネルキャップやジャッキステー)はその甲斐あっていい感じに仕上がってます。
これくらい大きく撮影するとまだまだディティールアップの余地はあるんだなーと思ったり。





フジミ1/700重巡「妙高」製作完成画像

前回作った那珂との2ショット。
実はこんなに大きさが違います。これでも戦艦に比べるとまだ小さかったり。




フジミ1/700重巡「妙高」製作完成画像

という訳で、艦船モデル2隻目である重巡洋艦妙高は、製作開始から前回よりちょっと早い3週間ちょいで完成しました。

2隻目ということで前回しなかった新しい経験を、ということでファンネルキャップの自作や、ジャッキステーや航空機運搬軌条などの エッチングでも難易度ちょっと高めの工作にチャレンジしながら作ったんだけど、他の経験済みの工作に迷いがなかったことや、 新しいキットだったため、パーツの修正がほとんど要らなかったというのもあってトータルでは順調に進んだのかな?

ちなみに今回使用したキット付属以外のディティールアップパーツ。



・ライオンロア
「日本海軍水上機用ターンテーブル&レール」
・ゴールドメダルモデルズ「ラッタル」
・ジョー・ワールド「ジャッキステー」
・ジョー・ワールド「精密窓枠Ver.A」
・ハセガワ「日本海軍・汎用ボートダビッド」
・ハセガワ「20.3cm主砲身セット【重巡妙高級】」
・ハセガワ「1/700 重巡洋艦 妙高級 ディティールアップパーツB」から 艦橋窓枠、ループアンテナ、高角砲のディティール
・ファインモールド
「5,500t型軽巡洋艦ディティールアップパーツ」から 1号3型電探、ボートダビッド、絡車、水密扉、艦載機用パーツ
・ファインモールド
「探照灯セット3 軽巡・駆逐艦・小型艇用」から 探照灯2つ
・WAVE
「Hアイズミニ」から 1.8mm2つと2mmを2つ


ほかにも、金属チェーンや真ちゅう線、プラ材等・・・。

うーん、キット代を上回る出費(笑)。何事も勉強なので、色々使ってます。
まあ、那珂の時に買ったパーツの余りも含まれてるし、全部のパーツを使い切った訳ではないのでまた次に流用も出来るし、 今後取捨選択されて出費も減っていくかも知れないし?
もちろん、これらのパーツを一切使わなくてもかっこいい「妙高」は完成します。


前回の那珂で得た教訓を生かしてステップアップできたので今回も満足。

さて、軽巡、重巡と来て次は何にしよう・・・?




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