ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」製作記。



第二次大戦中の日本海軍の軽巡洋艦です。
阿賀野型第3番艦。
軽巡洋艦の名前は河川から取っているそうで、長野〜岐阜〜愛知に流れている矢矧川が 名前の由来だそうです。

阿賀野型は1番艦から、

阿賀野、能代(のしろ)、矢矧、酒匂(さかわ)
の4隻となっています。


【1/350 日本海軍軽巡洋艦 矢矧 天一号作戦】

1/350プラスチックモデルキット
定価 10,290円 (税抜 9,800円)
メーカー:ハセガワ


2009/10/26(月)

同メーカーの1/350雪風に引き続き、また1/350を作っていきます。
駆逐艦の雪風に比べて、矢矧は軽巡洋艦なので大きめ。
パーツ点数も雪風の218点と比べて倍以上の511点で、値段も倍以上。
お陰で箱もバカでかかったです(笑)。

船体は左右分割方式で、スライド金型を使用しているお陰でビルジキールが一体になってます。


まだパーツ。

主砲はスライド金型を使用して砲口が開口されてます。
また、防水布の付いたタイプと付いていないタイプが入っていて選択できます。
主砲塔や魚雷発射菅もスライド金型で成型されてます。

主砲塔などの各部可動用のポリキャップも入っています。


まだまだパーツ。

細かくて画像だと訳が分からないけど、この辺は装備品や艦載機、艦載艇などの汎用パーツっぽいところ。
汎用パーツのランナーだけあって半分以上不使用パーツのようです。ちょっとホッとした(笑)。
それとデカール、クリアパーツ、アンカーチェーン用の金属チェーンなど。
クリアパーツは探照灯、艦載機のキャノピー、艦橋窓枠。
海軍旗はデカールとは別に紙のシール式のタイプも入ってます。



こちらは同時発売されたメーカー純正エッチング。

A、B、スーパーと3種類出ていて、3種とも買いました。
A、Bは阿賀野型用という風になっているので、今後バリエーションキットが出るかも?

Aは主に手すりで、これを使うだけでも相当密度が上がります!・・・って製品に書いてあります(笑)。
Bは艦橋窓枠、ファンネルキャップなどその他もろもろ。
スーパーは矢矧天一号作戦専用となっていて、主にハイディティールな飛行作業甲板まわりと、金属砲身の構成になってます。
スーパーだけ箱に入ってるけど、上げ底してあるだけで厚みはないです(笑)。

【軽巡阿賀野型ディティールアップエッチングパーツベーシックA 2,310円(税込み)。
【軽巡阿賀野型ディティールアップエッチングパーツベーシックB 4,410円(税込み)。
【軽巡矢矧天一号作戦ディティールアップパーツスーパー 6,930円(税込み)。

全部買うと例によってキットの値段を超えるけど、 これだけ盛り沢山のエッチングがキットと同時リリースされるのはディティールアップをしたい身としてはとてもありがたい事です。
早速仮組み。
説明書通り船体の組み立てから行います。

組み立て前に展示ベースに固定するための穴を船底に2箇所、デザインナイフで開口。

それから補強版を12枚挟んで左右の船体を張り合わせて見ました。
各補強版には番号が刻印されていて、船体の裏側にも補強版を入れる部分に対応する箇所に番号が振ってあるので分かりやすくなってます。

画像はつい先日完成した同スケールの雪風と大きさ比較。
雪風は約35cm、矢矧は約50cmと15cmの差。
2009/10/27(火)

甲板は3パーツ構成。裏側にはにパーツを取り付けるための穴のガイドが山ほどあって、 説明書に指示がある分だけピンバイスで開口していくんだけど、その数何と約90ヶ所。

そのほとんどが1mm径、0.8mmと1.2mmも少しあります。
今回はメンド臭かったので電動ドリルを使って開けました(笑)。

もし穴を開け忘れちゃっても、パーツのダボを切り飛ばせば何とかなるはず・・・。

恐らく後日出るであろうバリエーションキットのためにこんな穴あけのセルフサービス状態になっているんだろうけど、ちょっと面食らいました(笑)。

画像は開口し終わった甲板の表側。
船体を接着して、甲板と艦上構造物を多少乗せてみた状態。

艦上構造物はエッチングとの兼ね合いもあるので、主にエッチングBの説明書をよく読んでどこまで組めるか考えながら、 合わせ目を消す必要のある部分を優先して接着できるところを接着していきます。
ちなみに艦上構造物も一部裏側からの開口指示があります。

パーツの状態はかなりシャープ。でもそれ以前に予想外に大きくてちょっと驚いてます(笑)。
2009/10/31(土)

雪風を作ったときにも気になっていたんだけど、1/350スケールでもマストのヤードは プラパーツのままだと太いので、真ちゅう線で置き換えました。
ヤードの根元を少しだけ残して切り取って、そこに穴を開けて、0.3mm径と0.4mm径の真ちゅう線を刺し込んで接着してます。

全部真ちゅう線に置き換えてハンダで着けられたらもっといいんだろうけど、プラに刺し込むようにするだけでも結構な強度が得られます。

エッチングも付け始めました。
2009/11/01(日)

艦橋まわりのパーツを大体着け終わりました。
艦橋に取り付けるエッチングパーツはエッチングはBのみでこれくらい。
あとは塗装後に取り付ける甲板に下りるラッタルとかエッチングAの手すりが少々付く感じ。

うーん、手すりやラッタルが付くと船っぽくなっていい感じ。
こういうのが好きで艦船モデルを始めたので、早くも感無量です(笑)。

2009/11/02(月)

後部マストもヤード部分を真ちゅう線に交換しました。
これは毎回やった方がいいかも。
その他細かいパーツやクレーン等のエッチングも取り付けました。
機銃や探照灯は後回しにしてます。
貼り合わせた船体の接着が硬化した頃なので合わせ目を消して、スクリューの基部を取り付け。
一応説明書の順番に組んでいけば問題ないけど、この辺の作業をする前に上部構造物を甲板に接着してしまうと ひっくり返しての作業が困難になるので注意が必要です。

シャフトは雪風のときと同様1mm径の真ちゅう線に置き換えてます。


2009/11/03(火)

甲板の洗い場のモールドをモデリングチゼル(ノミです)で削り取って、エッチングスーパーに含まれているパーツに置き換え。

画像は左舷側だけ終わったところ。
魚雷運搬軌条も同様にエッチングスーパーに含まれているパーツに置き換え。
こっちは特に見栄えがよくなります。

取り付けは船体塗装後の方がマスキングは楽かも。


このキットの見せ場のひとつ、エッチングスーパーのメインでもある航空甲板を組み立て。

補強の桁(ビーム?)と外側を別に組み立てて最後にくっつける感じで作業。

パーツの数的な事もあって組み立て図がややこしい事になってたけど、原寸の上面図もあったりして 戸惑う事はなかったです。

航空甲板組みあがりました。

画像左に見切れているのがキットのプラパーツ。
比較するとエッチングの方がシャープになっているのがよく分かります。
なかなかいい眺めだけど、完成したら下から覗き込まないとほとんど見えません(笑)。

まあ、積んである赤城の練習だと思えば・・・(笑)。

ちなみに上面の航空機運搬軌条も取り付け終わってます。
2009/11/07(土)

煙突と魚雷発射菅。
ともにジャッキステーはプラパーツにモールドで表現されているんだけど、 削り取ってエッチングを取り付けてます。

魚雷発射菅のほうは純正エッチングBに入ってるのでそれを使用。
煙突のほうはハセガワの汎用ジャッキステーに入っている内の足の長い方(番号2)を使用してます。
で、ジャッキステーの上から蒸気捨て管を8本取り付けることになるんだけど、干渉しちゃうので、無理矢理押し付けて接着してます(笑)。
この辺は甲板に各パーツを配置してクリアランスなんかを見て接着します。

ファンネルキャップは純正エッチングのBのものを使用。立体的に組めるように出来てます。
艦上構造物を甲板に置いてみたの図。

機銃や探照灯は後回しにして、舷側のダビッドと手すりを付けたら塗装に入れそうな感じ。
割と順調かも?
2009/11/08(日)

予定通り舷側のダビッドと手すりを取り付けて塗装に入りました。

艦上構造物は甲板に乗せているだけなので全部取っ払って、リノリウムと艦底をそれぞれの色で塗装(雪風と同じ色)。
そしてリノリウムと艦底部分をマスキングをして、船体色の塗装をする段取り。
画像はリノリウム部分のマスキングまで済んだところ。

ゴールが見えてきたかな・・・?
でもまだランナーには未使用パーツ以外にも切り出していないパーツがいっぱいあったりして(笑)。

2009/11/09(月)

船体色の塗装をしました。グラデーションも多少つけてます。
まだマスキング境界のリタッチはしてません。

画像は完成するとほとんど見えなくなる飛行作業甲板の真下の魚雷発射菅辺り。
マスキングを剥がして接着できるパーツを接着したところです。
これから細かいパーツをランナーから沢山切り出して、塗装して、接着しまくる作業があります。

2009/11/10(火)

と、いう訳で細かいパーツ群。
画像下に沢山あるこれらのパーツを塗装して、製作の序盤で甲板に開けた沢山の穴に取り付けていきます。
30以上のパーツを取り付けたんだけど、手間の割りに進んだ気がしなかったり。
ちなみに甲板の穴の開け忘れが3ヶ所ありました(笑)。

2009/11/14(土)

引き続き細かいパーツ群。
単装機銃×20、三連装機銃×10、絡車(大)×2、絡車(中)×7、ダビッド×1組。

単装機銃はほかに土台にエッチングを使用しないものが8個あるので合わせて28個分の作業が必要です。
絡車はプラパーツをそのまま使うようになっていたんだけど、エッチングを使ったほうがいい感じなので プラパーツの両サイドを削り取って、ハセガワの艦船用汎用エッチングに入っていたものを取り付けてます。
それでも数が足りなかったので前回作った雪風用の余っていた絡車エッチングも2つ使ってます。

これだけ仕上げるのに数時間掛かってます。ちょっと疲れた(笑)

2009/11/21(土)

艦載艇(零式水上偵察機)×1機、内火ランチ×1隻、それと予備のフロートや主翼など。
この辺に必要なエッチングはスーパーに入ってます。

内火ランチは幌を取り付けるので内部の塗り分けはしないで組み立てちゃいました。

塗装してデカールを貼ったところ。

偵察機のキャノーピーは今のところ無塗装です。

予備の主翼はエッチングを使わない場合は不使用パーツになってます。
エッチングを使用したとしても、置き場所が兵員待機所(プレハブ小屋みたいなところ)の真下なので、 ほとんど見えなかったりします。

2009/11/23(月)

船体のウェザリングをしてトップコート、その他スクリューや御紋章、台座といった金色のパーツも塗装して組み付け。

艦底色は、明るい汚れを艦底色+オレンジイエロー+白で、暗い色は、ずばり真っ黒でエアブラシにて縦に線を引くようにして塗装してます。

船体の板のつなぎ目は凹モールドで表現されているので、スミ入れをして立体感を強調したりもしてます。

さて、残すは空中線のみ。
レイアウトがよく分からないんだけど(笑)。



2009/11/26(木)

完成。


ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」完成画像


船体は軍艦色にレッドブラウンを少々混ぜて、渋い色調にしてあります。
空中線は0.2号の金属テグスを使用。
キット全長は約50cm。




ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」完成画像

後ろから。






ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」完成画像

左舷側。





ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」完成画像

以前作った同スケールの雪風と比較。
今回マストのヤードを真ちゅう線に変えたのでその差がはっきりと出てます。

あと、台座の高さが喫水線で合っていないので矢矧が余計大きく見えます。


ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」完成画像

船首のアップ。

ピントが合ってないけど旗竿は0.3mmの真ちゅう線で再現してます。
先端の丸い部分はゼリー状の瞬着を付けて固めたものです。




ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」完成画像

艦橋付近のアップ。






ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」完成画像

船体後部。





ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」完成画像

煙突周り。
ファンネルキャップの再現性が非常に良いです。





ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」完成画像

艦載機と艦載艇。
天一号作戦では対空機銃を増設するために艦載艇を減らしたらしく、内火ランチ1隻しか載ってません。
その内火ランチはスクリューや舵まで再現されてます。




ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」完成画像

艦橋を後ろから。
手すりとラッタルだらけのこの情報量が、標準のエッチングだけで再現できるのは非常にありがたいです。





ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」完成画像

飛行作業甲板裏のディティール。
やっぱりというか、普通のアングルでは見えません(笑)。





ハセガワ1/350軽巡洋艦「矢矧 天一号作戦」完成画像

という訳で、矢矧はちょっと根を詰めて1ヶ月ちょいで完成しました。

1/350は2隻目だけど、約50pもある船体のおかげで今回1/350というスケールの船のキットの事がようやっと分かった気がします。
取り回しも撮影場所の確保も大変(笑)。
まあ、パーツ数こそ多かったものの、船体や甲板のパーツの合いが非常によく、全体的に組みやすかったです。
それと、最初にも書いたけど、キットの発売と同時に純正のフルディティールアップできるエッチングセットがリリースされたのが とてもありがたかったです。
元々プラパーツのディティールも非常に繊細かつ、濃い内容なので腕が上がったのかと錯覚するほどいい出来に仕上がります(笑)。

と、いう訳で、今回は普段に輪を掛けて満足。

これからも1/350、1/700の艦船を作っていく予定です。
でも、次の予定は第一次大戦時の航空機だったりして・・・。



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